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2009年5月 3日 (日)

日本食ブームの落とす影

たまたま、ヤフーのニュースをネットで見たところ、パリに関する話題として、ヘッドラインにこんなニュースがありました。

「日本食街」規制の動き=アジア系集中、住民が懸念-パリ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090503-00000045-jij-int

日本食レストランなどアジア系店舗の集中が進むパリ中心部のサンタンヌ通り一帯で「なじみのパン屋や肉屋が消えてしまう」と懸念する住民約200人が、出店規制を求める嘆願書を市議会に提出、実態調査の実施がこのほど決まった。欧州有数の「日本食街」として知られる同地区だが、新たなレストラン開店が難しくなる恐れもある。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、フランスでは1980年代にパリに50店ある程度だった日本料理店がすしブームに乗って90年代後半から急増。今や約1000店に達した。

大半はすしと焼き鳥を組み合わせた中国・アジア系店だが、サンタンヌ通り付近は「本物」のラーメンやうどん、お好み焼きの店など20以上が軒を連ね、パリっ子にも人気がある。

ラーメン店「ひぐま」の経営者、平田建洲さん(64)は「お客さんの95%はフランス人。いろんな日本料理店がそろうこの通りへ来るのを皆が楽しみにしているのに、一方的過ぎる」と規制への動きを批判した。

住民のロマン・アトグさん(41)も「誰が多過ぎるなどと言うのか。日本料理店が多いのは便利で結構」と話していた。

<以上>

今日はこのニュースについて、私見を述べさせてもらいます。

このブログでも紹介したとおり、パリでは空前の和食ブーム。上記のサンタンヌ通りはオペラ座の近くにあり、ひとつの「日本人街」を形成するほどです。日系人の多いロサンゼルスの「リトル・トーキョー」は別としても、少なくともこれまで私が行った海外の大都市の中では、パリは最大の日本食マーケットの規模を持つと言っても過言ではありませんし、欧州最大の人口を誇るロンドンでも、こんな光景はなかなか見かけません。

本当に日本食の店がどんどん増えているのは事実であり、パリに住んでいる私にとっては、日本にいる時とほとんど変わらないぐらい、かなり和食へアクセスできていると思います。値段は日本よりも少し高くつきますが、日本らしい生活を追求したとしても、簡単に実現できてしまいます。

このような背景より、あまりにも日本食の店がパリを圧巻し過ぎており、一部の住民から批判があり、以上のような規制の動きに入るかもしれないとのことだと思います。

しかし、これは、日本やアジアへのバッシングに起因することではないと感じます。そもそも、日本食ブームは今に始まったことではなく、シラク前大統領がかなりの親日家であったことも影響し、90年代から既に始まったいたので、もし日本への批判があったとしたら、もっと前から規制の動きが顕在化していたはずです。

私に言わせれば、この動きは、昨今の金融危機のあおりを受けた、フランス国民による一つの保護主義的動きに他なりません。やはり、金融危機により、フランスも、景気が低迷したり、雇用情勢が悪化したりと、日本などと同じように、状況は芳しくありません。このような状況になると、どうしても「守り」の姿勢が強くなってしまい、政策が「内向き」にならざるを得なくなります。米国の「バイ・アメリカン条項」はその典型です。

そこで、最近の日本食の出店ぶりの勢いがたまたま強くなっていることが目立つようになり、それを槍玉に上げることで、外国料理の店の出店を控えさせ、フランス国民の利益や満足を守るべきだということに繋がったのではないかと思われます。もし、同じ場所で、インドブームとか、イタリアブームとか、ロシアブームとかが仮に起こっていたとしても、同じような規制の動きが出てきただろうと推察できます。

金融危機、経済危機がもたらす保護主義については、歴史的にも、1929年の大恐慌が経済のブロック化を招き、二次大戦の遠因になったことに鑑みると、世界的にその行き過ぎを防止するべきだとの認識が強くなっているのは事実です。

現在、保護主義の台頭が戦争を招くというのはやや考えすぎというフシはありますが、このような厳しい経済情勢だからこそ、各国にとって、どのようにして国内外の利益のバランスをとっていくかがきわめて重要であると考えます。人間を殺戮する戦争でなくても、国同士のぶつかり合いとして、貿易摩擦や投資紛争というコンフリクトは十分にあり得るのですから。

以上ですが、これはあくまで私見ですので、どうか鵜呑みにしないで、割り切って考えて下さい。日本での外国料理屋の動きは最近はどうでしょうかねえ。どなたか教えて下さい。では。

 

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